ダイヤモンドで考える、価値と利益のはなし
こんばんは!
今日もお読みいただきありがとうございます。
本日のテーマは「ダイヤモンドで考える価値と利益のはなし」
先月、南アフリカのダイヤモンド鉱山で、約30カラットのブルーダイヤモンドが見つかったそうです。今日はこの話から、利益について考えてみたいと思います。
このダイヤモンド、原石だけで何と1.7億円で取引される見込みだそうです。これをジュエリーに加工して、オークションにかける頃には、きっともの凄い金額になる事でしょう。
ちなみに昨年見つかった25.5ctのブルーダイヤのお値段は、1690万ドル(約17億円)とのこと。今回のダイヤはそれを上回るサイズなので、数千万ドル(数十億円)の値段が付くと言われているそうです。
希少なブルーダイヤですが、小さいものなら、意外にお手頃な値段で手に入ります。検索してみたら、0.3ctの粒ブルーダイヤがついたアクセサリーなら、5万円前後から売られていました。
0.3ctが100個集まれば、一応30ctですね! ですが、同じ30ctのブルーダイヤでも、今回発掘されたダイヤの価値は数十億円、その辺で売られているブルーダイヤ×100個の価値は、合わせてたったの500万円です。同じ30ctのダイヤでも、1000倍くらいの価値の差が出てしまう訳です。
さて、この辺りで「利益」の話に戻したいと思います。
私たちは、日々の仕事において、「利益」の目標を立てる事が多いと思います。それは、「今月は○○円の粗利が必要で…」という様な単位に落とし込まれます。もちろん、会社としてこの様な見方は、ある一面では必要なことです。
しかし、この「短期の利益」に固執し過ぎてしまうと、先ほどのダイヤと同じ様な事が起きます。毎月の利益を積み重ねても、それは本来の価値にはならないという事です。
利益とは、会社が一定の期間にあげた、売上と原価の差額に過ぎません。はっきり言えば、何の価値も示していない、会計上の幻想のようなものです。それを、1か月や1年という単位で、輪切りにしているだけなのです。
本当に大切なのは、「手持ちの資本を、仕事を通していかに最大化するか?」のはずです。いま100万円持っていたとしたら、それを数年後にいくらの価値に変えるのか?が、最も大切なことです。
私たちは、数字の目標に固執するばかりに、「輪切りにした数字あつめ」をしてしまってはいないでしょうか? 短期目標の売上や利益を追いかけるばかりに、100個に分かれたダイヤの様に、価値を生まない仕事にしてしまっているのではないでしょうか?
せっかく30ctのダイヤを掘り当てたのに、目先の数字にばかりにとらわれていると、100個に割って、本来の価値を損ねてしまう様な事になりかねません。もちろんダイヤを100個に割る人はいないでしょうが…(笑)
ダイヤなら一目瞭然なのに、これが仕事になると、利益という物差しだけで、平気で輪切りにしてしまうのが、人間というもの。こうならない様に、定期的に「価値」という視点から、仕事を見つめることも大切ですね!
売上や利益という数値は、事業をある一定の角度から測る、“ものさし”の1つに過ぎません。これらの数値は、道具の1つとして、上手に使いこなすことが大切なのだと思います。