“もくてき”のデザイン -成果をあげる組織づくり・人づくりのヒントー

働くことを通して「豊かさ」や「幸せ」を味わう人を増やし、人のエネルギーを最大化する組織・チームをつくること。ドラッカーのマネジメントや、脳・メンタルなどの記事を中心に、成果をあげる組織・チームづくりのヒントをお届けするブログです。

専門知識の使い方を「お米のはなし」から考える。

こんばんは!
今日もお読みいただき、ありがとうございます!

さて、本日のテーマは「専門知識の使い方を「お米のはなし」から考える」

先日、とあるお米を販売するネットショップで、こんな質問をしてみました。
コシヒカリと、最近よく見かけるミルキークイーンって、そもそもどう違うんですか??」

おそらく主婦の方でも、お米の品種によってどう味が違うか、どんな料理に向いているか、ちゃんと理解している人はそれほど多くないのではないでしょうか?  ちなみに、私はサッパリわかりません…(笑)

参考までに “お米  種類” と検索してみたところ、こんな風に説明されていました。


コシヒカリ
美味しいお米の代名詞とも言うべき品種です。味・香り・粘り・つやに優れたまさに日本人好みのお米です。

【ミルキークイーン】
農林水産省が中心となって進めた、その名も「スーパーライス計画」によって誕生したお米です。コシヒカリよりも粘りが強く、食味も良好です。


何となく違うということは分かりましたが、正直言って、私には違いがよく分かりません…。このままスーパーに行ったら、たぶん知名度が高くて、しかも特売で安くなっているお米を買って帰ってくると思います(笑)

そのショップさんでも、最初は似たような説明をされました。よく分からないので、もう少し突っ込んで聞いてみたところ、実はミルキークイーンは、「冷凍して、レンジでチンしても、味が落ちにくい」という事を教えてもらいました。

ここまで聞いて、ようやく私にも少し理解できました。炊きたてがおいしいコシヒカリよりも、冷凍しても美味しいミルキークイーンの方が、我が家に向いてるかも…、と。たぶん近い将来、我が家でもミルキークイーンを試食してみることになるでしょう。


仕事の場では、「専門知識」を持っているほど、活躍の場が増えますし、重宝もされることでしょう。ですが、その「専門知識」は、顧客にとっての価値を表している訳ではありません。

以前も書いたとおり、そもそも「価値」とは、人によって意味づけされたものに過ぎません。そして、専門家の感じる価値と、顧客の感じる価値の基準は、まったく異なるものになります。

コンサルの仕事をしていると、よく「他社と差別化したい」という要望をいただきます。ここでよく起こる間違いの1つは、「専門知識による差別化」です。クライアントさんは、「他社とは全く違います!」と仰るのですが、お客様が違いを感じられなければ、無意味な差別化なのです。

この手の勘違いは、まじめで実直な努力家の人ほど、おちいりやすいのではないかと思います。実は、今日の夕方も、同じような会話をしてきました。

ドラッカーは、「知識あるものの責任」という言葉で、この事を指摘しています。専門知識を持つものは、他の人に分かるように説明する責任を持つという事です。さもなくば、成果はあがらないのです。

「知識を身に付ける」とは、実は「他の人に理解してもらえるように身に付ける」という事なのです。私のこのブログも、気づくと難しい言葉になりがちです(笑)
まだまだ、勉強と修行が必要ですね!