“もくてき”のデザイン -成果をあげる組織づくり・人づくりのヒントー

働くことを通して「豊かさ」や「幸せ」を味わう人を増やし、人のエネルギーを最大化する組織・チームをつくること。ドラッカーのマネジメントや、脳・メンタルなどの記事を中心に、成果をあげる組織・チームづくりのヒントをお届けするブログです。

コンセプトと自主性。人が自発的に動く組織にあるもの。

こんばんは!
今日もお読みいただきありがとうございます。

「理念なんかあっても、1円の足しにもならない!」
こんなセリフが良く聞かれたのって、昭和から平成に変わる時代の頃でしょうか? もしくはホリエモンがまだ世を賑わしていた頃ですかね?? 

最近は、ここまで言われる事は減ってきましたが、いまだに事業の目的がはっきりしていない企業、目的を活用しきれていない企業が多い様に思えます。

クライアントさんに理念の話をすると、「こんな変化の早い時代に、そんなのんびり構えていいの?」と、聞かれる事があります。

私の考えはこうです。
「変化が早いから、理念やコンセプトが必要なのです」
変化が起きてから、自分たちの立ち位置を考え、貢献を考え、それから戦略を立てていては遅いのです。

たしかに理念を考えたり、事業コンセプトを考えるのは、頭がねじれそうな気分になる時もあります。ですが、変化の早い今の時代こそ、事前に高いレベルの準備しておかなければ、あっという間に置いていかれるのです。


この週末、少し時間ができたので、ある方にいただいた「宝塚の教育について」のムービーを見ていました。この4月で100周年を迎えた宝塚劇団。ご存知の方も多いと思いますが、服装や髪形、廊下の歩き方や街での振る舞いに至るまで、厳しい校則で知られています。あの華やかな舞台に立つまでの間には、睡眠すら削って、厳しい修練の日々が、2年もの間続くのだそうです。

今の日本の常識で言うならば、「どうして従う必要があるのか?」 という反発があっても不思議ではない、むしろ反発が当然とも思えるほどの厳しさなのです。

ですが、中にいた人間の感覚としては、「あの舞台に立つには、輝くためには、この位の厳しさは当たり前」だったそうです。
“厳しさ” とは、何なのでしょう??
なぜ、彼女は “厳しさ” を “当たり前” と捉えられたのか?

私はこう思うのです。宝塚の人財育成を支えているのは、「一流の理念と、一流のコンセプトである」と。

厳しい教育を受ける生徒のみならず、厳しい伝統を受け継いでいく責任の根源には、この厳しさに “意味がある” と感じさせるだけのものがあるのだと思います。一流の志があり、理念があり、コンセプトがあるのだと思います。

「一流を作っているという自負」、これこそが厳しさを当たり前のものとし、自ら動く自立的な人財を育てるのではないでしょうか?


企業にとっての理念やコンセプトも、同じであるはずです。組織が一流の貢献を目指せば、働く人々も一流の仕事を心がけ、一流の振る舞いをし、一流を自問自答する自律的な人財に育っていくはずです。

企業として、組織として、目指す未来は? 100年後、300年後、500年後の未来に向けて、どんな一流の貢献を目指すべきなのか?  この答えは、経営者の心の奥底に、そして一人一人の従業員の奥底にあるはずなのです。これを合意できた組織には、自律性が宿ります。

変化が早い時代だからこそ、一人一人の自律性が求められる時代です。

組織が人の能力を活かす存在であるためには、自分のためだけではなく、世の中に貢献する一流のコンセプトが必要なのです。一流の貢献を目指す組織には、一流にふさわしい人財が育つのだと思います。