“もくてき”のデザイン -成果をあげる組織づくり・人づくりのヒントー

働くことを通して「豊かさ」や「幸せ」を味わう人を増やし、人のエネルギーを最大化する組織・チームをつくること。ドラッカーのマネジメントや、脳・メンタルなどの記事を中心に、成果をあげる組織・チームづくりのヒントをお届けするブログです。

成果をあげるために、「私たちの仕事の標準」をデザインする。

こんばんは!
今日もお読みいただきありがとうございます。

先日、クライアント様と、こんな雑談をしました。
「若手のAさんは、仕事が中途半端でも時間になると帰ろうとするんだよね…」
この手の事例は、どこの組織でもあるのではないかと思います。

「仕事に対する意識や責任感の違い」が、こういう会話を生んでいるのですが、どうすれば良いのか分からず、苦労している方も多いのではないかと思います。


私の若いころを振り返ると、この“仕事に対する意識の違い”に、事例とは逆の意味で、イライラしていたように思います。

今でもそういう面がありますが、若いころの私は、今よりさらに完璧主義っぽい気質でしたので、自分にとって中途半端と思える仕事をする人に、かなり苛立っていました。

今思えば、かなり迷惑な部下・後輩だったと思います。ですが、そんな周りの気も知らずに当時の私は、「そんな適当な仕事に自分が合わせるくらいなら、辞めてやる~」と、本気で思っていました。(結果、本当にサラリーマンを辞めてしまいましたが…笑)


今なら、こう思います。
「人それぞれ、仕事に対する基準が違ってあたりまえ」
そうなのです。
自分にとって「当たり前」としている仕事の水準は、他の人にとっては「当たり前」ではないのです。

「そこまでやるの??」とか、逆に「そこで終わりにするの??」という異なる水準は、私の視点から見た景色に過ぎません。人それぞれ異なる景色を見ていることを前提として、組織にとっての基準を作るという行動を、当時の私は知らなかっただけの事なのです。

私のように基準の違いにイライラするのではなく、最初から基準が違うことを前提とし、“組織が当然とすべき基準” をデザインしなければなりません。人それぞれの基準が違うことを受け入れた上で、みんなが納得できる高い基準を設定する必要があります。

この「高い基準」というのがミソです。

中途半端な基準を設けると、得意な人は簡単で、不得意な人だけが苦労するハードルが出来上がってしまいます。ギリギリ追いかける事ができる高い基準を設定すると、みんなが等しく努力をすることになります。全員が同じ高みを目指せば、不公平感がなくなるばかりか、チームに一体感が生まれます。


「どの水準を、私たちにとっての標準とするか?」

これを、オープンな場で議論し、合意することで、一人一人の成果に対する意識が大きく変わります。そして、自分たちで決めた基準に対しては、自発的な “責任” が生まれます。一人一人やり方も視点も異なりますが、同じベクトルを目指すことができるのです。

「責任」と言うと、時に重たいものに感じることもありますが、人は元来、責任を負うことに喜びを感じるという面を持っています。これを上手く引き出すように、合意によるマネジメントを行うと、一人ひとりの責任意識が成長していくのです。

成果をあげるために、「私たちの仕事の標準」をデザインする。
簡単なことなので、ぜひ組織に、チームに採り入れてみてください。