“もくてき”のデザイン -成果をあげる組織づくり・人づくりのヒントー

働くことを通して「豊かさ」や「幸せ」を味わう人を増やし、人のエネルギーを最大化する組織・チームをつくること。ドラッカーのマネジメントや、脳・メンタルなどの記事を中心に、成果をあげる組織・チームづくりのヒントをお届けするブログです。

「日本人の誇り」を取り戻したいなら、マネジメントを学べ。

こんばんは。
いつもお読みいただきありがとうございます。

「日本は右傾化している」なんて言われ始めたのは、いつの頃からでしょうか。誰の差し金かはさておき、ここ数年、マスメディアや教育を通して戦後70年ちかく包み隠されてきた歴史のウソに、みんなが気付き始めてしまったのは事実だと思います。

アメリカの教科書では日本のなりたちとして「国造りの神話」を教えているのに、日本の歴史教科書ではナウマンゾウが国のなりたちとされている。挙げればきりがありませんが、やはり私の世代が習ってきた歴史教育に、どこかおかしい点があるのは事実なのです。

私も出るところに出たら、立派な「右寄り」な人間だと思うのですが、正直言うと、最近の「日本の誇りを、歴史を取り戻せ」的な動きには、どこか疑問を感じない点が無いわけではありません。

はっきり言って、こう思います。
「取り戻して、その先どうするのさ??」と。

近隣の反日国を説得できれば、それで満足でしょうか?
いわゆる白人たちの差別的な歴史観を塗り替えれば、それで満足でしょうか?
はっきり言って、それでは無意味だと思っています。

日本人として、自分たちの祖先や先人への敬意を持つことは大切ですが、それが外への批判姿勢や攻撃性となってしまっては、まさしく無意味だと思うのです。

本当に日本人として誇りを取り戻したいなら、歴史と一緒に「マネジメント」を学んでほしいと思っています。


これからは、「知識と知識を組み合わせて、新しいモノやサービスを生み出す時代」へと移行していきます。与えられた作業を効率的に、精度高くこなせば良い作業は、これから発展していく国や、機械のすべき仕事となるのです。

一人ひとりが専門知識を持ち、組織を通して相互活用することで、成果をあげる時代になります。組織は人を権威や報酬で動かすのではなく、高い貢献の目的設定によって、人々が「ここで貢献したい」と感じる場を提供する方向へとシフトします。

世の中の「変化」を敏感に感じ取り、知識の組み合わせを変えることによって、組織を通じて成果をあげる知識労働者が、これからの主役です。

ここで出てくる「組み合わせ」や「組織」、「変化」というキーワードは、日本が長い歴史を通して積み重ねてきた得意分野にほかなりません。


稲作を中心とした農耕文化が国の基礎を作った日本では、「組織」によって成果をあげるための教育システムが整っていると言われています。時に否定的に言われることもありますが、日本人の「周りを読む」という姿勢は、稲作文化に端を発していると言われています。

狩猟文化をベースとした国では、生産性をあげるために「個人」や「論理」が重要視された文化が形成されてきましたが、日本には「集団」によって生産性をあげる風土が存在しているのです。


「知識を組み合わせる」という資質に対しては、日本古来の宗教観が大きな役割を果たします。先進国の中では数少ない「多神教文化」である日本では、もともと「すべてのものに神がやどる」とされてきました。

キリスト教という一神教文化で、かつ論理を重視する西洋に比べると、「あれも正しいし、これも正しい」という “曖昧さ” を受容できるのが、日本文化の特徴です。

知識を持つものは、自分の視点が正しいという思い込みをしがちですが、「誰が正しいか?」ではなく、「それぞれが正しいく捉えている」という視点を持つのが得意なのです。これは、組織の目的に近づくための議論をしていく上で、非常に重要な要素です。


「変化」に対しては、日本の自然風土が培ってきました。もともと四季がある日本では、変化を当然のものとしています。地震国でもある日本は「突発的なトラブルに備える」のが得意ですし、いざ災害が起きれば協力しあう国民性を持っています。

そして海外から見ると、意外にも日本人は「打たれ強い」と見られている様です。戦争で壊滅的な打撃を受けながら復活し、震災で壊滅的な打撃を受けても秩序を保つ様は、驚きをもって見られています。

変化ある自然と向き合い、共存する方法を2000年以上に渡り積み重ねてきた日本は、「変化を機会とする」というDNAを持っているのです。


先日の記事にも書いた通り、アルバイトですら時給が1000円を超える時代になりました。昨日は、深夜の飲食店が時給1375円で募集しているニュースも見かけました。

「時給があがった~」などと喜んでいる場合ではありません。本当の意味で、次の時代にシフトしないと、日本では “ものづくり” も “おもてなし” も、ままならなくなるのです。

繰り返しますが、「日本人の誇り」を取り戻したいなら、歴史と一緒に「マネジメント」も学んで頂きたいと思うのであります。知識社会の到来は、日本にとって大きなチャンスなのですから。