“もくてき”のデザイン -成果をあげる組織づくり・人づくりのヒントー

働くことを通して「豊かさ」や「幸せ」を味わう人を増やし、人のエネルギーを最大化する組織・チームをつくること。ドラッカーのマネジメントや、脳・メンタルなどの記事を中心に、成果をあげる組織・チームづくりのヒントをお届けするブログです。

強みと役割と価値観。自分自身を活性化するもの。

こんばんは!
今日もお読みいただきありがとうございます。

これは最近、私自身もあらためて感じている事なのですが、人生に「充実感」や「生きている実感」をもたらすものがあるとすれば、それは自分自身の『価値観と一致した役割』なのではないかと思います。

ここ数年、「やりたい事をやりましょう」「夢を叶えましょう」的な風潮がとても強くなっていますが、個人的には、何か少し違和感を感じています。

自分の我欲をベースに外に何かを求めて獲得していく生き方は、根本的に感情を“快”の状態にはしません。ちょうど前回まとめた、「外発的動機」による生き方そのものだからです。

感情を“快”の状態にする生き方とは、「内発的動機」による生き方なのです。『自分の中に、すべてある』という事に気付く生き方とも言えます。与えられた能力を最大限に活用して生きる事。ここからスタートする時、人は感情を“快”にして生きることができます。

まるで哲学か宗教のような話に聞こえるかもしれませんが、この考え方は脳科学的にも極めて合理的なのだそうです。脳内物質の分泌とも関係した、人間が生まれ持つ機能であり、反応と言えます。


さて、『自分の中に、すべてある』と言われても、何があるのかさっぱり分からない人もいると思います。人間誰しも、自分自身の事を良く知らないからです。

自分を知らないから不安になり、不安だから人と比べ、人と比べるから余計な争いを起こす。自分の事は分からなくても、他人の事は良く分かります。私たちは、はっきりと視界に捉える事のできる他人を基準に生きてしまうという『思考癖』を持っているのです。

動物としては便利な『癖』だったのでしょうが、特に現代を生きる人間にとって、この『癖』は厄介な代物になりつつあります。「自分はどんな人か?」を知る努力こそが、自らの仕事における成果を変え、人生における幸福感も左右する時代になってしまったからです。これからの時代、「自問自答する力」が、人生を大きく左右する様に思います。


自分の中から、自分自身で見つけ出さなくてはならないものは、たったの2つしかありません。
 ◇自らの強み
 ◇自らの価値観

自らの強みを知る方法は、ドラッカーによれば「フィードバック分析」しかありません。最近はストレングスファインダーという便利なツールもありますが、本当の意味で強みを使いこなすためには、今でもフィードバック分析が最適でしょう。

 「私の強みって何だと思う??」
 「私って、何が得意かな~??」

これを、周りの人に聞き回る事こそ、強みの発見の第一歩です。多くの場合、人は自分自身の強みを勘違いしています。それは良くて得意な事、ひどい場合には得意だと思い込んでいる事なのに…。多くの人からフィードバックをもらう事で、自分自身が考えている「強み」と、周りが思う「強み」がある程度つかめてきたら、第一段階はクリアです。

『自分自身の価値観』については、なかなか簡単に見つけ出す方法が無いのですが、「もし誰かがやっていても、自分はやりたくない事」などから入るのが、意外に近道の様に思います。「やりたくない事」から入って、「では、何をしたいのか?」に逆転させていくと、価値観の原型と思しきものが見えてきます。

注意点としては、「やりたくないこと集め」に終始しない事。ここで終わってしまうと、単なる世捨て人のようになってしまいます(笑) 必ず、「では、何をしたいのか?」まで、必ずやり切る事が重要です。


『自らの強み』と、『自らの価値観』は、一朝一夕で簡単に見つかるものではありませんが、一歩づつ近づいていく事で、不思議と成果があがり始めたり、周りの人間関係に変化が始まります。

そしてその変化が、『新たな役割』をもたらします。自らの強み、自らの価値観に沿った役割を与えられるようになった時、今までに感じた事のない充実感を、人は得るのではないかと思います。

「まずは自分自身を知る」
使い古された言葉ですが、やはり時代を超える言葉には、真理があるように思います。今の時代こそ、改めて自分自身を知ることが求められているのではないでしょうか。