“もくてき”のデザイン -成果をあげる組織づくり・人づくりのヒントー

働くことを通して「豊かさ」や「幸せ」を味わう人を増やし、人のエネルギーを最大化する組織・チームをつくること。ドラッカーのマネジメントや、脳・メンタルなどの記事を中心に、成果をあげる組織・チームづくりのヒントをお届けするブログです。

「成果をあげる上司」 は、部下をどのように育るか? ーその1ー

こんばんは!
今日もお読みいただきありがとうございます。

先週の金曜日は、「ドラッカー実践会」に参加してきました。どんな仕事でも、自分の “仕事ぶり” というのは中々わからないものなのですが、今回その実践会ではチームコンサルティングという方法で、お互いがお互いのコンサルをしてみるという試みにチャレンジ。

参加者は共にドラッカーを学び、しかも全員がプロの講師やコンサルタント、コーチとして活躍している方々。自分にとっては当たり前のことが、「それ、すごくない?」って事だったり、自分が価値を感じているものに別の視点から焦点を当ててもらったりと、とっても有意義な時間を過ごしてきました。

という訳で、今日からしばらくの間、いつもの私目線から視点を変えてブログを書くことにチャレンジしてみたいと思います。


コンサルティングの現場では、「部下をどう育成すればいいのか分からない」というご相談をよくいただきます。私が若いころから言われていましたが(笑)、どうやら若手の育成はいつの時代も共通する悩みの様です…。

例を挙げればきりがないですが、聞こえてくるのはこんな声が多い様に思います。

「部下が主体的に動いてくれない」
「自分で考えない。言われたことしかやらない」
「売上や業績に対する執着心・責任感がない」
「若手の価値観がわからない。扱い方がわからない」
「教え方がわからない」
「どう業務上の指示を出せばいいかわからない」

などなど。
私にご相談いただく位ですから、皆さまかなり悩みは深い様です…。


私が思うに、部下育成(もとい人財育成)でお悩みの方に共通するのは、以下の3つの領域において課題を抱えているという事です。
 ① 昔から続くマネジメントに対する誤解に起因する課題
 ② 組織やチームに「共通の目的」の検討不足という課題
 ③ コミュニケーションと感情のマネジメントにおける課題

敢えて『課題』と書きましたが、課題であるということは、「適切な解決策を講じれば解決が可能である」という事です。

誰がやっても同じ正解にたどりつく学校の勉強とは少し考え方が違うので、一見すると複雑に感じるでしょうが、適切なアプローチを取り、適切な知識を身に付けることで、すべて解決できる課題。それが「人財の育成」ということを、ご理解いただければと思います。



1番目の課題である【①マネジメントに対する誤解】については、正しい知識の習得によって解決が可能です。

私がオススメしたいのは、もちろんドラッカー。と言うより、そもそもマネジメントの全領域を体系的に網羅しているのは、ドラッカー以外に存在しないのではないかと思います。

人を動機づけるものはお金ではありません。指示や命令によって人を動かすと、人は “やる気” を失うものなのです。そもそも、私たちは生活するために働いている訳ではありません。

私たちは過去何100年にもわたって、誤った動機付け理論をベースに、誤った組織マネジメントを行っているのです。これが人財育成を困難にしているだけなのです。


2番目の課題である【②組織における共通の目的】については、まとまった検討時間を確保することによって解決が可能です。

ドラッカーはマネジメントを以下の様に説明しています。
『共通する使命感のもとに成果をあげる。そのための道具がマネジメントだ』

共通する使命感とは何か?
ドラッカーの言葉で、これをもっとも端的に表しているのが「貢献」です。貢献という共通の使命なくして、組織の成果も、一体感も有り得ません。組織は貢献に対する責任を持っているからこそ、人財を育成することが出来るのです。

自分の損得ばかりを考える人の集まりは、単なる「集団」に過ぎません。そもそも、集団には人を育てる義務もなければ、機能も存在しないのです。


3番目の課題である【③感情のマネジメント】は、自分と向き合い、自問自答することによって解決できます。コミュニケーションにおける問題とは、ほとんどの場合、自らの感情をセルフマネジメントできていない事に起因しているに過ぎません。

感情のマネジメントについては、このブログでも過去に何度か書きましたが、掻い摘んで説明すると、「自分で作った被害妄想が、自分自身の成果を妨げ、周りとのコミュニケーションを妨げている」という事です。

例えば「自分は上司としてデキる人間でないとならない」というキャラクターを自分に課している上司は、自分に厳しいだけでなく、周りに厳しく結果を要求するかもしれません。自分で課したキャラクターによって、若手社員に厳しく接し、結果として部下のやる気を阻害してしまうのです。

あくまでこれは空想上の一例ですが、「自分が自分に課したキャラクターの暴走」による問題は、枚挙にいとまがありません。

自らと向き合い、自問自答することによって、人は自分の視点を知ることができます。そして自らの視点を知ることは、他人の視点を理解することへと繋がるのです。



さて、ここからが本題…、と言いたいところなのですが、本題に入る前にすでに2000字を超えてしまいました…(苦笑) 不定期になると思いますが、このテーマ、しばらく連載という形で続けてみようと思います。

それでは皆さま、お楽しみに~♪♪