“もくてき”のデザイン -成果をあげる組織づくり・人づくりのヒントー

働くことを通して「豊かさ」や「幸せ」を味わう人を増やし、人のエネルギーを最大化する組織・チームをつくること。ドラッカーのマネジメントや、脳・メンタルなどの記事を中心に、成果をあげる組織・チームづくりのヒントをお届けするブログです。

成長するということ。成長が生み出す不快感を超える。

こんばんは!
今日もお読みいただきありがとうございます♪♪

本日のテーマは「成長するということ。成長が生み出す不快感を超える」

久し振りにドラッカーの引用から入りたいと思います。

「企業のような社会の組織体においても、生物の組織体と同じように、成長は負荷を伴う緊張状態をもたらす。成長は不連続である。成長のためには、ある段階で自らを変えなければならない。そのとき組織は、人が成人期に経験するのと同様の自己認識の危機に直面する。人と同じように、組織もまた、有能であって意欲的であるほど、その危機に苦しむ。」(マネジメントー下巻よりー)

この直前の文章で、ドラッカーは「成長は自動的に起こらない」と言っています。そして、「適切な時に、適切な市場に向けて、適切な財とサービスを提供しなければならない。しかし、それらのものは成長のための前提であり、条件であるにすぎない。成長そのものではない」と言っています。

この文章を読んで、改めて思うのは、私たちが「日々の仕事」と「成長」は、直結しているのだと誤解しているという事。よくありがちな話ですが、「毎日、とっても努力しているのに、なんで成長しないんだろう??」というのは、仕事と成長が異なるということを、その関係性を、誤解しているから起きることなんですよね。


私たちは、日々の仕事のみならず、人生においても「成長」を当然のものと位置づけている節があります。昨日より今日、今年より来年、成長していたいと思うのみならず、成長していなければならないと、どこか思い込んでいるのではないでしょうか?

ですが面白いことに、成長を望みながらも、日々の仕事、日々の生活の中で同じパターンを繰り返しているのではないでしょうか?

もちろん、努力の方向付けが世の中のニーズと一致していれば、その努力が報われることもあるでしょう。しかし、その方向性が「間違っていた」と認め、修正するのは、かなりの労力を要します。冒頭の引用で、ドラッカーが “自己認識の危機” と言っているのは、まさにこの事です。

ドラッカーは、「成長すること」自体を、「成長すべきか?」「すべきでないか?」を意思決定するものと位置づけています。そして、「成長すべき」であれば、根拠に基づいて成長の目標を計画するものとしています。

組織の目的にとって、成長はあくまで条件でしかなく、成長を目指すか?目指さないか?は、選択の対象とされています。

そして、「成長すべきである」という結論に至るのであれば、成長がもたらす変化・不快感に準備することを促しています。成長は、その機会がいつ訪れるとも分からないものだからこそ、常に準備できている状態を作っておかねばなりません。“自己認識の危機” を乗り越えるための人財の育成の重要性を説いています。



この箇所を読んでみて、正直なところ私自身も「成長」という概念に対する認識が、不十分だったと思いました。心のどこかで、成長を当然のものとし、目的としてしまっている部分があったのだと反省しました。

今日より明日、今年より来年…という考え方は、とっても聞こえは良いと思いますし、不思議と説得力もあります。ですが、真の意味で成長する上では、成長を当然のものとしてはいけません。成長を目的としてしまうと、顧客にとっての本質を見落としてしまいます。

顧客の求めるもの、時代の求めるものは、常に変化していきます。変化に対する不快感を乗り越えて、成長の意思決定を使いこなさなければなりませんね!