“もくてき”のデザイン -成果をあげる組織づくり・人づくりのヒントー

働くことを通して「豊かさ」や「幸せ」を味わう人を増やし、人のエネルギーを最大化する組織・チームをつくること。ドラッカーのマネジメントや、脳・メンタルなどの記事を中心に、成果をあげる組織・チームづくりのヒントをお届けするブログです。

雰囲気の中に働くのではなく、組織風土をつくる

こんばんは!
今日もお読みいただきありがとうございます。

さて、今日は「組織の風土」について。

ひとむかし前なら、
「組織風土や、組織文化の改善が成果につながります」
と言うと、それは非科学的だと言われた時期もありましたが、
最近は研究が進み、科学的にもその成果が立証されつつあるようです。

かの有名なハーバード大学の研究でも、
優れた文化は「“文化的に凡庸な”競合他社と比べた場合、
企業業績の差の20~30%を説明しうる」と論文が出ていますし、
組織風土に関しても同じく、2~3割程度の成果向上の可能性が
様々な研究成果として発表されています。

しかし、企業や組織において、
この「組織風土」や「組織文化」を積極的に活用しようという試みは、
まだ、ほとんどなされていない様に思います。


さまざまなクライアント様にお伺いして思うのは、
「かなり多くの企業が、自然発生的な “雰囲気” の中で仕事をしている」
と、いう事実です。
組織風土ではなく、漫然とした “雰囲気” なのです。

日本人は空気を読む民族だと、よく言われますが、
明確な貢献の目的があるわけでもなく、
目標が納得感をもって共有されているでもなく、
「それなり」の雰囲気の中で仕事をしている企業が多いのです。


業績が伸び悩む企業では、
「目先の数字」や「目先の利益」にとらわれており、
それを数年つづけてきた結果、伸び悩んでいるケースがほとんどです。

もちろん、個人の勉強不足や知識不足で、
目先にとらわれている場合もあるとは思います。

しかし、ほとんどの会社では「将来に向けた取り組み」の
重要性が叫ばれているにも関わらず、いつの間にか目先をやっているのです。
なぜ、こんな事が起きるのでしょう??


この一因は、組織が自然発生的に醸成してきた
『雰囲気』の中にあると言えます。

例えば、効率化ブームに乗って効率を重視してきた結果、
従業員の間に「損得勘定をする」という
雰囲気ができあがってはいないでしょうか?

利益を重視した目標設定をしてきた結果、
「楽して儲かる方法を考える」という
雰囲気が出来上がってはいないでしょうか?

ほとんどの場合、自然発生的に生まれる『雰囲気』は、
一時的なブームによって生まれ、人間の欲望に沿って成長していきます。
効率化も、利益重視も、元はといえば一つのトレンドであり、ブームに過ぎません。

そして、そこから生まれた『雰囲気」に任せておくと、
組織は貢献を忘れ、いずれその価値を失うのです。

組織が顧客に貢献し、価値を生み続けるためには
なんとなく出来あがる『雰囲気』に任せるのではなく、
「どんな組織風土をつくるべきか?」を、
自問自答しなくてはなりません。

自社の理念と、貢献の目的に沿って、
人財育成の方向性を定めるのです。

人の多様な「強み」を活かしつつ、
同じ方向にパワーを集中させるのです。


組織風土を整えることは、人の生産性をあげることに繋がります。
人の強みを活かすことにも繋がります。
最初に述べた通り、それが成果をあげる原動力となることも、
ようやく科学的に立証が進みつつあります。

すぐに成果のあがる解決策ばかりでは、成果があがらなくなります。
もちろん目の前の成果をおろそかにしてはいけませんが、
並行して「組織風土」という本質の解決策への取り組みも重要です。

組織の雰囲気は自然発生的に生まれるものですが、
「組織風土」は、意思によってつくりあげるものなのです。