“もくてき”のデザイン -成果をあげる組織づくり・人づくりのヒントー

働くことを通して「豊かさ」や「幸せ」を味わう人を増やし、人のエネルギーを最大化する組織・チームをつくること。ドラッカーのマネジメントや、脳・メンタルなどの記事を中心に、成果をあげる組織・チームづくりのヒントをお届けするブログです。

共通する使命感のもとに成果をあげる

「私は空気を吸うため、ご飯を食べるために生まれてきました」
という人に、会ったことのある方は、滅多にいないと思います。

しかし、「私は一儲けして、利益をあげるために起業しました」
という経営者は、星の数ほどに存在します。

人にとっての空気やご飯と、企業にとっての売上や利益、
これは本来同じ性質のものです。
単なる「活動や存続のための前提条件」に過ぎません。

しかし、日本中の企業や組織、チームにおいて、
利益は存在意義を構成する1つの要素とされている事が多いようです。
これは、本来おかしなことです。

さすがに露骨に「うちの会社の目的は、利益です!」と
言っている企業は少ないでしょうが、
「うちの会社の目的は、○○に貢献して利益をあげることです!」と、
なっている企業は多いのではないでしょうか?


利益を目的にしている組織では、ほぼ100%の確率で、
以下のような問題が発生します。

それは、
◇従業員のやる気、モチベーションが上がらない
◇自ら動かず、言われた事しかやらない
◇新しいことにチャレンジせず、事なかれ主義になる
◇責任を負うのを避ける
◇部門間、スタッフ間での助け合いが少ない
◇小さい問題に気づかず、トラブルやクレームが増える
など、多岐に渡ると思います。

利益を目的にすると、必ず「利益の奪い合い」が発生します。
損得勘定によって判断し始めます。

組織と従業員の間で奪い合い、上司と部下が奪い合い、
従業員同士が奪い合い、果てはお客様から奪うことを考え始めます。
いかに「楽して利益をあげるか?」へと向かうのです。

利益を目的に据えることで、結果として成果のあがりづらい、
利益を生みづらい組織の土壌を作ってしまうのです。


ドラッカーの言葉の中に、
共通する使命感のもとに成果をあげる。そのための道具がマネジメントだ」
という言葉があります。

人が「人生の使命」を自問自答するように、
組織も「自分たちの存在意義」を自問自答しなくてはなりません。

組織としての、共通する存在意義があるからこそ、
お客様はその企業や組織を支持する訳ですし、
従業員は組織のために自らの意思で、より高い成果を目指すのです。


あなたの組織・チームは、誰に貢献する組織なのでしょう?
あなたの組織・チームは、何を通して幸せを創る組織なのでしょう?

内部で利益を奪い合うような組織の設計をするのは、
大変もったいないことです。
いま一度、自らの組織の “存在意義”、自問自答してみましょう!