“もくてき”のデザイン -成果をあげる組織づくり・人づくりのヒントー

働くことを通して「豊かさ」や「幸せ」を味わう人を増やし、人のエネルギーを最大化する組織・チームをつくること。ドラッカーのマネジメントや、脳・メンタルなどの記事を中心に、成果をあげる組織・チームづくりのヒントをお届けするブログです。

「成果のあがる組織」に変えるために。利益目的がもたらすもの。

こんにちは!
いつもお読みいただき、ありがとうございます。


「集団」と「組織」は、どう違うのか?
この2つの違い、すぐに説明できるでしょうか??

来週末から受講する、地獄の(笑)ドラッカー合宿に向けて、昨夜は生まれてはじめて “速読” というものにトライしてみました。その課題本でもある、ドラッカーの「ポスト資本主義社会」からの引用で、今日はスタートしたいと思います。


『組織とは、共通の目的のために働く能力をもつ者からなる人間集団である。社会、コミュニティ、家族などの伝統的な社会集団とは異なり、組織は目的をもって設計され、形成される』(ポスト資本主義社会より)

慣れない速読に右脳が悲鳴をあげながらも、この一文の的確さには「なるほどな~」と思いました。

 ◇組織  :共通する目的を持った人の共同体。
 ◇集団  :人の集合体。目的の有無は問わず。

組織は、人が成果をあげるための道具である。
この前提に立てば、組織が組織であるために、まずは共通する目的がなければなりません。目的がなければ、それは “烏合の衆” に過ぎないという事なのです。私が言うまでもなく、バラバラの目的を向いた人の集合体があっても、当然成果に結びつくはずがないのです。


さて、ここでもう1つ、ドラッカーからの引用。
『利益は、個々の企業にとっても、社会にとっても必要である。しかしそれは、企業や企業活動にとって、目的ではなく条件である。』(マネジメント 上 より)

私たちは生まれながらに組織社会が当たり前の時代に生きているので、どうしても分からなくなりがちですが、組織の目的は利益ではありません。組織そもそもの目的は「人の生産性をあげて、人をより社会や顧客に貢献させうる手段を提供すること」です。ドラッカーはこれを「顧客の創造」という言葉に集約して表現しています。

農家が収穫した作物のうち、来年の種まで利益として計上してしまったならば、翌年はどうなるでしょうか?   農家で考えれば当然のことなのですが、利益を目的と勘違いしている企業や組織では、利益を「未来のコスト」と考えず、先食いして食いつぶしているだけなのです。

繰り返しますが、「利益は目的ではなく存続の条件」なのです。


この2つの引用文、同時に読むとお分かりになると思いますが、利益の最大化という誤った目的を目指すことは、結果として「目的のない、単なる人の集合体」を作るという事なのです。

いまだに多くの企業が利益目的の経営を続けていますが、頑張った結果が組織の空中分解では、まったく報われないと思います。もちろん、そこで働く人々は、もっと報われません。

大切なのは、「組織共通の目的をつくること」です。「私たちは何に貢献する組織なのか?を定義すること」です。つまりは、組織としての使命(ミッション)を持つことなのだと思います。

私もこれまで、何社かミッション創りのお手伝いをさせて頂きました。
みなさん、相当な産みの苦しみを味わってらっしゃいますが、組織のミッションがはっきりすると、活かすべき強みや自らの行動がはっきりする様です。

同時に、経営者や従業員のコミュニケーションに関わる悩みが消滅したり、人財の飛躍的な成長も見られます。当然、成果があがる様になります。

一見すると「なんで?」となるでしょうが、“組織共通の使命” を決めることと、“組織の成果” の間には、間違いなく相関関係があります。それは、組織の構成要素が人であるがゆえに、起きることなのです。

「組織としての使命」を果たした上で、利益はジャンジャン上げる。まるでバラ色の様ですが、私は至ってマジメに、これを目指すべきだと考えています。この未来像を目指すとき、組織に関わる人すべての人生が、より輝くのだと信じています。