“もくてき”のデザイン -成果をあげる組織づくり・人づくりのヒントー

働くことを通して「豊かさ」や「幸せ」を味わう人を増やし、人のエネルギーを最大化する組織・チームをつくること。ドラッカーのマネジメントや、脳・メンタルなどの記事を中心に、成果をあげる組織・チームづくりのヒントをお届けするブログです。

目的によるリーダーシップを発揮する

こんばんは!今日もお読みいただきありがとうございます♪♪

ただいま新幹線で静岡あたりを移動中です。どうやら満月は昨日だったらしいのですが、窓から見える今日のお月様は、ウサギ?が見えるくらい綺麗です!

さて、今日のテーマは「目的によるリーダーシップを発揮する」

もしあなたが、何かの組織のリーダーとして、何かのミッションを達成しないといけないとします。数名の部下がつき、彼らにも協力してもらわないと、そのミッションはクリアできません。

あなたなら、部下たちをどの様に動かそうとするでしょうか??

おそらく、ほとんどの人は、こんな感じではないでしょうか?
「私はこんなミッションをやろうと思っている。君たちに協力して欲しい」
または、
「上からこんなミッションを与えられた。君たちにも協力をお願いする」
みたいな感じかもしれないですね。

きっと、部下たちは突然降って湧いたミッションに、キョトン顔なはずです。
そもそも、自分たちは何故これをやらなくてはならないんだろう?という疑問が生まれるはずです。

理由が分からないままでは、おそらく部下たちは動いてはくれないでしょう。
適当に話を合わせて適当な仕事をするものもいるでしょう。
拒否反応を起こして食い下がるものもいるでしょう。

とにかく、意味の分からないミッションを与えられて、やる気満々な人間などいないはずです。いたら逆に恐ろしいです(笑)


おそらく過去1000年以上にわたって受け継がれてきた誤解の1つに、「人は他人を動かすことができる」というものがあります。いまだにリーダーシップの本が本屋さんに並んでいる事から考えても、現在にいたるまで続いている大きな誤解です。

古くは軍隊、最近は労働者に至るまで、組織におけるリーダーシップは、指示や命令によるものと、頑なに信じられてきました。そしてごく最近まで、そのリーダーシップは実際にある程度の成果をあげてきました。

ようやく最近になって、指示や命令によるリーダーシップを暗黙的に信じ込んでいる人は、さすがに少なくなってきました。指示や命令によるリーダーシップでは、もはや上手くいかないと、誰もが体感的に感じているはずです。しかし、次の方法が見つからないから、リーダーたちは仕方なく指示や命令によって、リーダーシップを発揮しようと四苦八苦しています。

この古いリーダーシップスタイルが使いづらくなったのは、決してマスコミによる世論の影響や、自由を愛する崇高な精神による訳ではありません。ここ数十年で、私たちの仕事のスタイルが変わったのです。旧来の指示や命令によるリーダーシップが、まったく効果を発揮しない仕事のスタイルへと変化したのです。

指示や命令によるリーダーシップを使って、一定の成果をあげられる仕事のスタイルには法則があります。それは、「肉体を動かして成果をあげる仕事をしていること」です。

軍隊はもちろんの事、農場や工場で働く労働者たちの働きぶりは、リーダーから一見して分かります。サボれば指摘できます。だから指示や命令によって人を動かすことができたのです。

時代は変わり、私たちのほとんどは、肉体ではなく知識を使う仕事をしています。知識を使う仕事は、目視によって働きぶりを明確に評価することができません。もちろん、データによっても限りなく不可能です。

働きぶりが評価できないのですから、どんなに指示や命令をしても、それは空手形に終わります。空手形だと分かっている指示や命令に、本気で取り組む人が現れないのは、自明の理なのです。


知識を使って成果をあげる今の時代は、リーダーと部下が「同じ目的に向かう」という方法によってのみ、リーダーシップの発揮ができます。リーダーの仕事は、メンバー「動きたい」と思える環境を創り、メンバーの成長を手助けすることによって、成し遂げられます。

幸いにして、人間には「成長欲求」と「貢献欲求」という本能があります。この本能的欲求を原動力に、本来の目的に向かって進める様に手助けをすれば良いのです。

欲求を原動力に変える方法については、長くなるのでまた別の機会にしますが、この本能的な欲求を成果に変えるために、まずは「目的」を持つことが必要です。

あなたの会社の目的は何ですか?

あなたのチームの目的は何ですか?

あなた自身の目的は何ですか?

ちょっと哲学的なこの問いが、実はこれからの時代におけるリーダーシップの源泉なのです。