“もくてき”のデザイン -成果をあげる組織づくり・人づくりのヒントー

働くことを通して「豊かさ」や「幸せ」を味わう人を増やし、人のエネルギーを最大化する組織・チームをつくること。ドラッカーのマネジメントや、脳・メンタルなどの記事を中心に、成果をあげる組織・チームづくりのヒントをお届けするブログです。

組織は目的に従う。

こんばんは!
今日もお読みいただきありがとうございます。

本日のテーマは「組織は目的に従う」

ここ最近、月曜日の恒例になっていますが、本日もドラッカーのマネジメントから、今日は2つの文章を引用します。

「組織の構造は、組織が目的を達成するための手段である。組織の構造に取り組むには、目的と戦略から入らなければならない。」
「戦略とは、『われわれの事業は何か。何になるか。何であるべきか』との問いへの答えである。」 (両方とも「マネジメント(中)第41章より」) 


“組織は戦略に従う”という言葉は、どこかで耳にした事のある方も多いと思います。もともとはアルフレッド・D・チャンドラーというアメリカの経営学者の言葉なのだそうです。ドラッカーはこの言葉を引用して、業績が悪化すると組織に原因を求める経営者を戒めました。

どこかの企業で上手く行っているやり方や、組織構造などをコピーしても、上手く行く訳がないことは、火を見るより明らかです。ドラッカーは、組織構造に唯一絶対の正解があるのではなく、人に成果をあげさせる組織構造はすべて正しいと言っています。

そもそも、この文章でドラッカーが使っている「戦略」という言葉も、私たちが日頃使っているニュアンスと、少し違います。「われわれの事業は何か。何になるか。何であるべきか」という問いは、超長期戦略を問うている質問なのですが、私たちの感覚からすると、限りなく『目的』や『ミッション』の領域に近いニュアンスです。


私たちは、日ごろ「戦術」ばかりを気にしてしまっています。
成果をあげている企業の組織構造をモデルにし、あたかも組織構造に正解があるかのごとく、教科書どおりに当てはめてしまいます。もっと酷いと、他社で売れている商品の二番煎じを安値で販売して、価格戦略などと言っているケースもあります。

そして上手く行かないと、また次のモデルをコピーするために、組織をいじる。こんなお粗末なやり方で、「成果があがらない」と言っているのは、まさしく論外ですよね…(笑)


ドラッカーは、最初に「目的」と「戦術(ここでいう超長期の)」を定めよと言っています。そして、「目的」と「戦略」を支える『基幹活動』を明らかにせよと言っています。基幹活動を中心とし、基幹活動がより強みを発揮するように、組織構造を考えるのです。

基幹活動とは、「その組織の価値の根幹を担う活動」のことです。例えば、同じホテルでも、高級ホテルとビジネスホテルでは、基幹活動は間違いなく異なります。

高級ホテルは “おもてなし・ラグジュアリー・信頼と信用・ステータス” などを支える活動が基幹活動になるでしょう。ビジネスホテルでは、“利便性・リーズナブル・合理性” を支える活動が基幹活動と言えます。提供する機能は同じ「泊まる場所」なのですが、組織の目的やミッションが異なれば、基幹活動は必ず変わります。

まず目的が最初にあり、そこから基幹活動が明らかになり、ここでようやく組織構造の検討に入れるということなのです。


私は仕事がら、「御社の事業の目的は何ですか?」と聞いてみることがあります。結構な確率で不思議そうな顔、たまに嫌そうな顔をされることもあります…(^-^;

ですが、事業の目的やミッションがベースにあって、はじめて成果につながる組織づくりが出来ます。なので、これから私とお会いする皆さんは、なるべく嫌な顔をせずに、この質問にお付き合いいただけたら嬉しいです(笑)